沿革
当社の沿革を、川崎重工業株式会社と日立造船株式会社(現 カナデビア株式会社)のトンネル掘削機事業の歴史とともにご紹介いたします。
(現 カナデビア株式会社)
川崎重工がシールドマシンの開発、製作に取り組むきっかけとなった初号機。日本で初めて地下鉄トンネル工事でルーフシールド工法が採用された。丸ノ内線国会議事堂前駅から新宿方向への約231mの掘削に使用。
造船業で培った技術で自社開発し、製造した開放型手堀式シールド掘進機。横浜市の下水道敷設工事に使用した。日立造船はこの年から約7年間で100台以上のシールド掘進機を受注しシールドメーカとしての地歩を固めた。
JR東日本の京葉線京橋トンネル用として納入した、世界初の2つの円形カッターヘッドと独立した圧力室を装備した多連シールド掘進機。複線トンネルを同時に施工することにより建設コストを削減した。マシンの完成には高度な設計・製造技術を要し、密閉型異形断面シールドの先駆けとなった。
ドーバー海峡トンネルの掘削のために投入された軟弱地盤・岩盤両用タイプのシールドマシン。工事区間16kmを予定より8カ月も早く堀り、さらに4kmの掘削延長を要請されるという「大貢献」を果たす。ナポレオンの着想と着手から200年、26回も挫折したプロジェクトを実現した立役者だった。
東京湾横断道路用(アクアライン)として納入した当時世界最大の泥水式シールド掘進機。独自に開発したセグメントの全自動組立装置を装備し、高速施工を実現、当プロジェクトに投入された8台のマシンの中で最長掘削距離を記録した。
東京湾横断道路の海底トンネル部分の掘削に投入された当時としては世界最大の直径を誇った掘進機。10kmの海底トンネルを上下2本掘るために計8機のシールドマシンが使用されたが、このうち3機を川崎重工が納入している。削った土と水を混せて泥にして排出するので「泥水式」と呼ばれた。
大阪ビジネスパーク駅工事用として納入した世界初の円形カッターヘッド3連のシールド掘進機。ビル直下の駅構築のため、プラットフォームと複線路部と同時に掘削。特殊なエレクター装置を装備し、完成後の駅を支える本柱もシールド掘進機内でトンネル壁構築と同時に組立を行った。
東海北陸自動車道飛騨トンネル工事に投入された。TBMは硬岩地質においてカッターヘッド前面に取り付けた、ローラーカッタで地山を掘削するマシン。当社は硬岩地質のみならず破砕帯を含む広範な地質にも対応可能な改良を実施してきました。
トルコ国民の長年の夢であったアジア大陸とヨーロッパ大陸を結ぶボスポラス海峡を横断する鉄道用としてシールド掘進機4台を納入。岩盤掘削に加え、最大水圧0.85MPaという厳しい条件下を掘削した。
東急・東横線渋谷駅~代官山駅間の地下化工事に投入された。下水道管とトンネルとの隔離距離をできるだけ長く確保するために非円形のシールドが要求され、鹿島建設と共同開発した。カッターヘッドが自転しながら公転ドラムによって公転し、刃が2つある2連型のマシン。「アポロカッター」とは、「All potential Rotary Cutter=あらゆる可能性を秘めた回転式カッター」の意だ。
老朽化した高架橋の代替道路トンネル用に納入した「Bertha」と名付けられたシールド機は、米国シアトルのビル群直下をくぐり抜け、上下線2階建て構造の道路トンネルを2017年に貫通させた。当時世界最大径のシールド機でシールド掘削に関わるフルパッケージの設備を納入した。
銀座駅からGINZA SIXへの通路トンネル用として納入されたシールド掘進機。銀座の狭い地下空間を有効活用するため、矩形断面のシールド掘進機が要求された。大都会の地下わずか2.6mの深さを掘削、地表に影響なく貫通した。完成した地下通路を通ればマシンで組み立てられたセグメントを見ることができる。
立会川雨水放流管整備事業に投入された。スパイラル施工とは、最初は横2列で進んでいたシールドマシンが、進む中でねじるように姿勢を変えて縦2列に変化する、もしくは縦2列から横2列に変化する工法。直径5.85mのマシン2台が、わずか9cmの距離を維持したままスパイラル施工を行って、しかも川の蛇行に合わせて掘り進んだ。
福岡県筑後川水系の佐田川と小石原川とを結ぶ導水路トンネル工事に投入された。硬質な岩盤に加え、設計水圧2.0Mpaという難しい条件に、長年蓄積した技術の粋を尽くした2台のマシンによって挑み、合計5kmを掘り抜いた。
2021
川崎重工業株式会社と日立造船株式会社は、
トンネル掘削機事業を統合し
新たに「地中空間開発株式会社」を設立